遺言書を作るメリットとは?

遺言書を作るメリットとは?

発見から遺言執行までの流れ


 

 

家族の誰かが亡くなった場合は、公証役場に問い合わせをすると公正証書遺言が保管されているケースがあります。
これは、亡くなった人が事前に公証役場において自分の遺言を残しておいたケースです。
公証役場で残した遺言は、家庭裁判所の検認を受けること無く開封してもよいので、存在が確認された時は家族が速やかに開封しても構いません。
遺言には、遺言執行者と呼ばれる人が指定されるケースがあります。これは故人の残された遺言を確実に執行するために指名された人物のことで、弁護士などの第三者の専門家が遺言執行者になったほうが、手続きもスムーズに出来て、様々なトラブルを未然に防ぐことが出来るのでオススメです。
そして、遺言執行者になったという旨を相続人に連絡した上で、相続財産を分かりやすくひとまとめにして交付したり、名義変更などの手続きを行うのが役目です。
相続人が遺言執行者になることも可能ですが、財産の取り分などで揉めるケースもあるので、出来れば第利害関係が全くない第三者の専門家を指定するとよいでしょう。
財産を分配して、執行者本人も報酬を受け取ったら一連の遺言に関する業務は終了です。
発見から執行に至るまで、スムーズに行いやすいのが特徴です。


検認確認の申立をするには?


 

 

遺言状が複数現れた時や、相続人が故意に自分に有利になる様に被相続人に本状を書かせた事実が発覚した時は他の相続人は遺言無効確認裁判を起こし事実の確認や、場合によっては誘導されて書いた物を無効にする事も可能です。
遺言無効確認裁判では、遺言状を書いた時の被相続人の精神状態、あとはもしその場に他の人間がいれば被相続人の状態、被相続人と書かせた該当相続人とのやりとり等、更に遺言状の書式、効力等可能な範囲での証拠保全を行います。
これらの証拠を可能な範囲で確保した状態で、家庭裁判所に遺言状の検認確認の申立を行います。申立を受けた家庭裁判所は、証拠の確実性、被相続人の精神状態を提出された証拠等から調査し、関係者の証言を聞き取った上で遺言状の真偽や複数の遺言状から無効な遺言を排除する判決を下します。
遺言無効確認裁判も他の裁判と同じ証拠第1主義ですので、沢山の状況証拠より1つの物的証拠が証拠能力としては確実ですので、もしその遺言作成行為に不審な所が有ればテープレコーダー等で会話ややり取りを録音出来れば、それは遺言無効確認裁判でも大きな証拠能力を発揮しますので、可能な範囲で音声や書類の現状保全をお勧めします。


検認手続きとは?


 

 

公正証書遺言以外の、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は、発見してもすぐに開封することは出来ません。
勝手に開封すると5万円以下の罰金が科せられるので注意をしましょう。
自筆証書遺言や秘密証書遺言を発見した場合は、家庭裁判所で検認手続きを受けなければいけません。
検認手続きとは書かれた書面の形状や加除訂正の状態の確認、日付や署名などの内容を確認し、偽造・変造を防止するための手続きです。
また、相続人などの関係者に遺言があったことを知らせるという意味もあります。
検認申立書を提出し、相続人の立会いのもと遺言が開封され、中身の検認が行われます。
もし偽造の疑いがあったり、内容に納得が出来ないような場合は、遺言書無効確認の訴えを行い訴訟を起こすことが出来ます。
それにより無効だと判断されれば、その遺言は無かったものとして遺産分割協議を進めていくことになります。
このことから、遺言の検認作業というのは大変重要な意味を持つ行いだということが理解できます。
公正証書遺言にすれば、このような一連の作業は不要になりますが、その分手間やお金がかかります。
どんな手段でもそれぞれメリット・デメリットがありますが、大切なのは正しい手続きを行い、不備がないように最新の注意を払うということです。


発見したときどうする?


 

 

相続が発生した時、遺言に関する書面を発見した場合の注意点として、公正証書の遺言以外については家庭裁判所の「検認」という手続きを申し立てる必要があります。この手続きを経ずに、遺言に関する書面を開封した場合には5万円以下の過料に処せられることになっています。また、家庭裁判所の手続きというと、少し怖い感じもしますが、検認手続は相続人等の立ち会いのもとに遺言に関する書面を開封して、遺言内容が法律で定められた要件を満たして作成されているかを確認し、その内容を相続人等に知らせるものであり、かつ、遺言に関する書面の偽造や変造を防止することにあります。即ち、この手続きは遺言に関する書面の内容の正確性や適格性を判断し、その有効・無効を判断する手続きではありません。なお、家庭裁判所のこの手続きに立ち会えない相続人等に対しては、その相続人等に手続きが終了した旨の通知がされます。従って、公正証書以外の遺言に関する書面を発見した場合に重要なのは、まず冷静になり、開封をしないことです。もし、開封したとしても、その遺言に関する書面や内容が無効になるわけではありませんが、他の相続人等から「この筆跡は本人のものではない」とか「違う内容の書面もあったはずだ」と言われかねません。


相続人間の利害を調整しながら適正な処理を行う人


遺言執行者とは、相続人間の利害を調整しながら適正な処理を行う人のことです。遺言の内容と趣旨に沿って、相続人の代理として各種の手続きを行います。執行者は遺言で指定される場合と家庭裁判所によって選任される場合とがあります。

執行者を選ぶ理由はなんでしょうか。それは、相続分の指定や遺産分割のように執行を必要としない場合はともかく、認知の遺言があればその認知届け、相続人以外への遺贈があればその引き渡しや登記という執行が必要になるからです。また相続人間の紛争を緩和することも期待できます。

相続人に認知された被嫡出子Aがいる場合、遺産分割が終わっていなければAを含めて遺産分割協議を行うことになります。遺産分割が終わっていればAを除外して行われた遺産分割協議は無効となり、やり直しになります。

相続人廃除は、被相続人に虐待もしくは重大な侮辱を加えたとき、その他の著しい非行があったとき、被相続人の意志により相続権をを奪う制度です。対象は遺留分を有する推定相続人に限られます。その手続きは、被相続人の住所地の家庭裁判所に申し立てて、調停または裁判によって審理されます。調停または審判が確定すると、被排除者である相続人は直ちに相続権を失います。

このように相続はこのようにデリケートな問題を常にはらんでいるため、執行人を立てて遺言を実行することが賢明と言えます。


取り消しはできる?


 

 

遺言の取り消しはできるのかという疑問を抱く人が時おりいますが、遺言は、その作成者の自由意思によって作成されるという観点で言えば、当然「取り消しができる」ということになります。
自分の遺言を作成する人のことを遺言者(つまり、本人)と呼びますが、現在の日本の法律(民法)では、遺言の法的効力が認められています。そしてこれは、「遺言の作成」だけでなく、「遺言の撤回」の部分までしっかりと認められています。ですから、遺言者であれば、たとえ一度作成した遺言であっても、いつでも自由に取り消し、無効にすることができます。
ただし、取り消す際にきをつけなければならないこともあります。たとえば、遺言者に取り消しの意図がなくても、何らかの事情で故意に遺言の一部を破棄した場合には、その部分については取り消したとみなされます。また、その中に何らかの「物」についての記述があり、遺言者がその「物」を故意に破損、破棄した場合にも、その「物」にまつわる遺言についてはすべて取り消しの扱いになるということも、法的に定められています。
また、遺言が2通以上ある場合には、一番新しいものだけが有効になり、それ以前の遺言に関しては、最新の内容と相反する部分はすべて無効となります。


遺言を作れるのはどんな人?


 

 

自分がこの世を去ることを想定して、遺族にその遺志を伝えるために書くのが「遺言」であることはすでにご存じのことと思いますが、遺言は誰が書いてもよいというものではありません。遺言を書く人のことを「遺言者」と呼びますが、遺言者、すなわち、「遺言を作ることができる人」は、一定の条件をクリアしていなければなりません。
たとえば、遺言者になるための年齢が15歳以上であるなどの物理的、基本的なこともそうですが、遺言者としての認識がしっかりしていることも同時に求められます。この、「遺言者としての認識」とは、遺言がどんな意味をもち、自分が遺言を作ったことによって、遺族に対し法的にどのような効力が発揮されるのかを指します。そして、遺言者としての認識がしっかりとできていて、遺言を書くことができることを「遺言能力」と呼びます。遺言者になるためには、これを備えていることが必須条件です。
このあたりのことは、すべて民法で定められていることですので、上記のことがらはすべて法的効力があります。また、遺言は遺言者にのみその作成が許されており、代理などは一切認められていません。ただし、代筆や遺言の保管は第三者に委託することが許されています。


無効・取り消しになる場合は?


 

 

遺言能力の欠如が明らかであったり、共同遺言の場合や、詐欺による相続の場合は無効や取り消しになります。まず、遺言能力が欠如しているとみなされるのは、満15歳に満たない年少者です。高齢者の場合は、精神能力について欠如しているかどうかが争われることが多くなっています。また、被後見人が、後見の計算を終える前に、後見人またはその配偶者、直系卑属の親族などに対しての遺言を行った場合も無効となります。これは、後見人が被後見人を操って財産を取得しようとすることを避けるためです。共同遺言については、2名以上の連名であるものを言います。遺言は、複数の人物が一通の証書で作成することはできません。これは、遺言の変更や追加などの複雑化を避けるためで、共同で作成されたものについては民法で効力を認められていません。また、詐欺や恐喝による遺言についても無効となります。これは、遺言者の意志に基づいた遺言とはいえないためです。そのほかにも、遺言者が実際に所有している財産でない財産についての遺言、違法行為についての遺言、遺言内容が特定できない遺言、実行不可能な遺言は無効になります。法定の方式によらない遺言も法的には無効となるため、弁護士や行政書士に確認することが重要です。